これはフィクションです。2
ン と ソ 続き。
出発してから、何ヶ月…いや、もう、年で数えるべきなのか、そもそも、探す物が、人なのか、動物なのか、ハタマタ場所なのか、芸術作品だったりして?目的がわからないままでは、もう、この旅は、破綻していて、ただ単に、放浪してるだけ?
ここ数日、疑問符しか浮かばなくなってきていた。
何故、下調べせずに、出発したのかというと
「支えになるくらいの存在なら、出会えば直感でわかるはず!」という、何の根拠も無い、ただ強いだけの気持ちで、なんとかなると思った。その時は。そのよくわからない強い気持ちは、もう岩も軽々と突き通せる信念と化し、数日のうちに家族を説得し、学校には休学を申し出て、出発した私達。
根拠も無くて、直感頼みだから、行先も思いつくまま、半年前には、思いつく場所も尽きてAIに尋ねていた。
「破綻だ!この旅は破綻だ!」
ミーヤソは、天を仰ぎ、絶望を振り払うかのように
「誰やねん。この、ミーヤソって」
へ?顔を上げると、美矢子が覗き込んでる。
「なんや、この前から、一生懸命書いてるなぁ。」
彼女は、隣のクラスの…
「ちょ!何で、読んでるの!」
「声かけても、返事せんからやん」
「だからって、読んで…」
と、言ってる先から、読み始めている。
「ふーん。ンとソ。オモロイなーほんまなん?」
良いネタ見つけたとばかりに、嬉しそうにとして聞いてきた。
「待って!うち、出てきてるやん!」
「つい、名前が浮かんじゃって、使ってしまった。」
「そーかー旅に出るんや。で、誰なん?ダーリソって。笑。」
「うーーん。わかんない」
「え?答えないまま、書いてんの?いや、気になるわぁー。んなら、検索してみよっと」
そう言って美矢子は、スマホを取り出して、調べ始めた。ダーリソなんて、あるわけ無いと思ってたから、調べる気もなかったけど
「やばい。いる…というか、あるで」
美矢子が、検索した画面を見せた。私達は言葉を失ったまま、しばらく、画面から目が離せなかった。